阿伏兎観音(磐台寺)

 

阿伏兎観音(磐台寺)

磐台寺(ばんだいじ)は広島県福山市沼隈町能登原にある臨済宗妙心寺派の寺院。本尊は十一面観音。瀬戸内海に面する阿伏兎(あぶと)岬にあるので阿伏兎観音とも呼ばれる。瀬戸内三十三観音霊場第二十四番札所、備後西国三十三観音霊場第四番札所。険しい海食崖が続く沼隈半島の南端である阿伏兎岬は奇勝として知られ、岬の突端の断崖に岬の岩頭に建つ朱塗りの観音堂は、その美しさから歌川広重の浮世絵「六十余州名所図会」、川瀬巴水の風景版画などの絵画の題材に多く取り上げられている。また日本を訪れた朝鮮通信使の残した文献などにも紹介されており、近代でも志賀直哉の小説『暗夜行路』にも言及され、今も瀬戸内の自然と調和した見事な景色をつくり出す。現代においても海難除け・安産・子育ての観音として広く信仰を集めており、女性の乳房の形をした絵馬が多数奉納され、また乳房型の護符もある。1934年に近接の鞆の浦と共に、瀬戸内海国立公園として全国で最初に国立公園に指定された地区であり、それを記念して発行された当時の逓信省発行の記念切手にも鞆の浦の仙酔島とともに観音堂の姿が描かれている。鞆の浦~尾道間に定期運行されている観光クルーズ船から海上からその優美な姿を望むことができる。

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阿伏兎観音